２０００．３．８　　　　　　　　　　 通勤地獄・・・仮面の下の座席争奪戦・・ 一昨年９月から、通いなれた東戸塚に別れを告げ、京浜東北線大森まで 通うようになった。 住まいは江ノ電「鎌倉高校前」なので、江ノ電で鎌倉に出て横須賀線に乗る。 江ノ電は座れるので問題ない。 東戸塚の時は時間も遅く、鎌倉で逗子始発の横須賀線に乗れたので、 余程のことがない限り座れた。 たとえ、座れなくても高々１６分だ。 ところが大森になって事情が変わった。 通勤時間が３０分長くなった。 大船か横浜で座れたら、品川まで行って、２駅戻る。 そこで座れなければ、横浜で京浜東北線に乗り換えて、大森まで立って行くことになる。 鎌倉８時１４分ごろの横須賀線に乗るわけだが、昨年末から横須賀線はすべて 新車両になって、ボックス席がほとんどなくなった。 これがくせものである。 自分の立っている前の人が降りない限りほぼ座れない。 鎌倉駅お弁当売り場のあたりで乗ると、大船でたくさん降りる。 その時に座れないと、まず横浜までは絶対に座れない。 電車到着。私は２０番目位にいる。 これだと向かい合わせの座席に座っている人の前に立っている人の列と列の間に 立つことになる。 座れる確率はきわめて低い。 それを何とかクリアして、吊革を確保。 立っている人はみんな一様に無表情な顔で目だけを動かしている。 目の前で眠りこけている厚底靴の茶髪のおねえちゃん。 しっかりと新聞や本を読んでいるサラリーマン氏。 終点まで起きそうにないおっさん。 選択の余地がない時は運を天にまかせるしかないが、選べる時がまた難しい。 しっかり本なんか読んでるから、これは絶対に降りるだろうと思ったら、 駅の近くになって、本を仕舞い込みおやすみモードになる人。 （えーっ！降りるんじゃなかったの？！）　 死んだように寝ていると思ったら、駅に着いたとたん、脱兎のごとく飛び出して行く人。 （大船で降りるって胸に札でもつけといてよーっ！） 何度だまされたことだろう。 極めつけは、運良く前の人が降りそうな気配で今まさに座らんとした時、 ３人位向こうにいたオバサンに肩をつかまれ、自分が座ると牽制されてしまったことだ。 これにはさすがにポーカーフェイスを装う私もにらみつけてしまった。 （このオバタリアンめっ！！） かくしてまた今日も疲れ果てて会社に到着することになってしまうのだ。 たまには予想に反して、すんなり大船で座れることもある。 今日こそ本が読めると、バッグから文庫本を取り出すが、ものの２ページも進まないうちに 気がついたら、西大井の駅を過ぎていて、また無為な時を過ごしてしまう。 ああ、本当に大森は遠いなあ。