旅行記を書き終えて 私の初めての海外旅行は、思いがけず全く考えてもいなかった ロンドン７泊９日の旅ということになった。 海外に行くなら、カナダかオーストラリア、ヨーロッパなら、 スイスとかイタリアなんていうのは考えたけれど、イギリスというのは 全く頭になかった。 特にイギリスのどこそこへ行きたいという場所を思い付かなかった。 が、思いのほかロンドンはすばらしかった。 ロンドンというと霧といった暗いイメージがつきまとうが、 季節が良かったせいもあって、さわやかな、花に囲まれた街だった。 いったいどうやって水をやるのだろうかと思うほど、街のあちこちに フラワーポットが吊るされている。 それもお店の前だけではなく、公衆トイレでも、普通のアパートでも とにかくいたるところに花があった。 頭の中で勝手に、色彩の地味な殺風景な街を想像していたが、それは 見事に裏切られた。 嬉しい誤算である。 また、もうひとつ大きく想像と違っていたのは、有色人種の多さだった。 これも勝手にイギリスというのは白人ばかりだと思っていたが、 街にはさっそうと働く黒人の女性、目以外は黒い服に覆われたアラブ系の人達、 民族衣装のインド系の人達、そして我々アジア系の人種とバラエティに 富んでいた。 私達は、外人が日本というと｢サムライ｣や｢ゲイシャ｣と思っているのに 憤慨するが、自分も外国に対して本当に偏った考え方をしていることに 気がついた。 それから、ロンドンの街で感じたのは、統一のとれた街並みと、古い物を 大切にする心である。 全体に茶系統の建物が多く、新しい建築物には白っぽい物もあるが、 奇抜な物は少ない。 色や形の規正があるのだろうか？ 建築中の建物を見たが、外壁だけまるで芝居のセットのように薄く残して、 建て直していた。 だから立て替えても見た目は変わらない。 日本ならあっという間に壊して全く違うものを建ててしまうだろう。 石の文化と木の文化の相違かもしれないが、うらやましい気がした。 数日間、ロンドンにいたからって何が分かる訳ではないが、でも 行ってみないことには絶対わからないということを痛感した。 今度は郊外の村でのんびりする旅をしたい。 イングリッシュガーデンを見たり、古いお城をみたりしたい。 そしてこれを機会に、どんどんいろいろな国に行かれたらいいなと思っている。

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