Hallo London

　　

・・・第４日目・・・
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　1999.7.20

　　 7月20日。火曜日。
今朝はホテルの近くの Brompton Arcade の
Arco という店で朝食。
サンドイッチとミルクティー、そして
ジャケット・ポテトを食べた｡
ジャケット・ポテトは特大のポテトを茹でて
半分に切った上に､好みのソース(たとえば
ミートソース）をかけて食べるもので
おいしかった｡
でもお腹いっぱいになる。
それから、ＡＹさんは１人で買物をしたりすると
いうことで、ＡＹさん以外の４人で地下鉄の
Knightsbridge 駅へ。
初めてイギリスの地下鉄に乗ることになった。

　　　　　Brompton 通り。Harrods を望む

ロンドンの地下鉄は、Subway ではなく Tube と呼ばれる。
構内の天井も車両も丸いチューブ型をしているのでTubeと言う。
地下鉄の駅には左下図のような｢UNDERGROUND｣というマークが
ついている。
バス停留所には真中図のようなよく似たマークがついている。
地下鉄の切符には指定ゾーン内の地下鉄とバス乗り放題の
｢One Day Travelcard｣という１日乗車券がある。(右下図）
私達もそのチケットを買って改札を通ろうとしたら、
ブザーが鳴ってしまった。
週末と祝祭日は終日、月曜～金曜は９：３０から使えるそうだ。
あちこちに設置された路線図で、自分の降りる駅を確認しながら
進んで行くと、間違いなく目的のホームに出られる。
路線図も大きいのでとてもわかりやすい。
地下鉄なので、エスカレーターも多いが、スピードが日本のより速いので、
日本のエスカレータが妙に遅く感じられた。
エスカレーターは右側に立つのがマナーで、急ぐ人が左側を使う。
日本とは逆だ。
地下鉄はドアの開閉がボタンを押すタイプと自動開閉のタイプとある。
降りたら｢WAY OUT｣の表示に従って進めば、改札に出られる。

　　　　

St.Paul's 大聖堂（１）

St.Paul's 大聖堂（２）

St.Paul's 大聖堂（３）事件の直前

Snowhill Police Station からの手紙

　　地下鉄に乗って二つ目の駅 Green Parkで下車。
紅茶で有名なフォートナム＆メイスンヘ行って、
お土産の紅茶を物色した。
そこからＫＫさんと２人になって、買物をした後、
また地下鉄に乗って St.Paul's 駅で降りた。
セントポールズ大聖堂を見学しようと写真を撮ったり
しながら正面まで行って、中に入ろうとした。
その時、晴天の霹靂というか、はたまた起こるべくして
起こったと言う大事件が勃発！！
私の初めての海外旅行に大きな汚点を残すことになった。
写真を撮ったあと、見学のために建物の中に入った。
かなりの人数の観光客がいる。
先にＫＫさんが入り、次に私が入ろうとした時、
私の前に中学生位の白人の少女が、地図を広げて
立ちふさがった。
私が前に行こうとしても、同じように動いて、
なかなかどこうとしない。
ようやくその場を離れたので、私も中にはいり、
カメラをバッグにしまおうとして、バッグのファスナーが
半分ぐらい開いているのに気がついた。
あわてて中を探ると、案の上、財布がない！ない！ない！
一瞬頭の中は真っ白！呆然自失！血の気がひいた。
ＫＫさんにそのことを話すと、あわてて外に飛び出した。
あたりを見回しても観光客ばかり。
そんな間抜けな泥棒がいるはずがない。
どうすればいいんだろう！！
と、その時向こうから警官が２人歩いて来るのが見えた。
２人とも背が高く、若くてカッコいいポリスマンだ。
英語のできない私はＫＫさんだけが頼りだ。
彼女が状況を説明してくれたが、ポリスマンが何か言うのが
理解できない。
イギリス訛りというのか、よくわからないのだ。
とりあえず連れて行かれたのが、Snowhill Police Staition。
そこで事情聴取されたのだが、相手の言葉がよくわからなくて
ＫＫさんはパニック状態。
｢デイト｣を｢ダイト｣、｢ネイム｣を｢ナイム｣を発音するので、
理解できないのだ。
最初から全然わからない私は焦りようがない。

その財布の中には、日本円が数千円。おろしたばかりの１００￡。
クレジットカードとバンクカードとＫＤＤカードが入っていた。
財布はこの旅行のために買ったばかり。
無論カード類もこの旅行のために作ったばかりで、
クレジットカードにいたっては、まだ１度も使っていなかった。
実はこの旅行の前に、ＫＫさんから前回の旅行での盗難事件を
さんざん聞かされていた。
くれぐれも現金とカードは別の所に入れろと。
それなのに、である。
３日間、そんな危ない場面に遭遇することもなく、
私の中に慢心した気持ちがあったのかもしれない。
ファスナーを閉めた上に上ブタのついたバッグの中から､
財布だけを抜き出すなんて､考えもしなかった｡
とりあえずはカードの使用をストップしなければならない｡
被害届けを出してから､警察で調べてくれた電話番号で
クレジット会社に電話して､ストップした｡
それはフリーダイアルだったので良かったが､銀行の方は
フリーダイアルではなかった。しかし､ポリスマンがボスに
許可を取ってくれて、電話をかけさせて貰い､無事に
ストップできた。
警察の入り口まで見送ってくれたポリスマンと握手して
｢良い旅行を！｣ともちろん英語で言ってくれた｡
ＫＫさんとポリスマンと一緒に写真を撮ってくれば良かったと
不謹慎な事を言いながら、再度セントポールズ大聖堂に戻った｡
帰国の日の朝､ホテル当てに警察から丁寧な手紙を貰った｡
盗まれた時にはショックだったけれど､その手紙を見て､
イギリスが好きになった｡

気を取り直して､セントポールズ大聖堂を見学。
中の螺旋階段を上って行くと､ドームの頂上に出られる｡
高所恐怖症のＫＫさんをなだめ透かして､上まで上った｡
途中にささやきの回廊というのがあって、壁に向かって話すと、
反対側で壁に耳をつけていると聞こえるというので、
試してみたがよくわからなかった｡
その後はドームの外側に出て３６０度の展望を楽しむ｡
風が強くて寒いくらいだ｡
２日目に見たセントブライズ教会がよく見えた｡
立派な教会だったが、どうも印象が悪くなってしまった｡
教会で盗みを働くなんて、まったくけしからん！！
その日の午後は、メンバーのＥＫさんの知り合いの方が
ロンドンの郊外に住んでいらっしゃるので､訪問することに
なっていて､ホテルに２時半集合だった。
時間がなくなって、昼食も抜きであわててホテルに戻った｡

St.Paul's 大聖堂（４）

大急ぎで着替えて飛び出したら突然雨！
傘を取りに戻ったらもうやんでいる。
ホテルの螺旋状の階段をバタバタと何度も駆け下りる私達を、
フロントの人があきれ顔で笑いながら見ている。
また地下鉄に乗って Euston という駅で降りてタクシーに乗って
Ｎ邸に向かった。
すりの話を黙っている訳にもいかず、皆に心配をかけてしまった。
Ｎ邸はロンドンの郊外 Hampstead の方にあり静かな住宅街だ。
すばらしい大邸宅だった。それが社宅と聞いて更にびっくり！！
しかし、ロンドンまでの通勤が渋滞などで大変なので、
８月にはロンドン市内に引っ越されるということだった。
テラスでアフタヌーン・ティー。
久しぶりにメンバー以外の日本人との会話だった。
お部屋を見せてもらったりしてから、タクシーを呼んでもらって、
また Euston へ。そして地下鉄でホテルにもどった。

夕食はホテルの近くのイタリアン・レストラン La Dolce Vista で。
ホテルに帰ってから電話してＫＤＤカードを止めた｡
この旅行のために作ったクレジットカードもＫＤＤカードも
１度も使わないまま消えてしまった。
すられたことよりも、あれだけ注意されていながら、
やられてしまった自分の不注意さに落ち込みながらも
あっという間に寝てしまった。

Ｎ邸でアフタヌーン･ティー　　　　　
Ｎ邸で歓談

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