Rittyan's Monologue

＝＝大森通勤、あれから２年＝＝

かわら版が始まって３回目に通勤地獄の話を書いた。
あれから２年の月日が流れ、大森通勤もだいぶ慣れてきた。
と言っても疲れることに変わりはないが。
２年の間に大森で２回ほど引越しがあり、昨年末に今のところに落ちついた。
とにかく引越しの好きな会社である。
駅からの距離が少し長くなったため、朝、鎌倉を８時１４分発の電車に乗ることが必須条件になった。
通勤方法は前と同じ、大船駅で座れた時は横須賀線で品川まで行き、大森まで京浜東北線でもどり、座れなかった時は横浜で京浜東北線に乗り換える。
カイドウ

３月まではかなり座れる確率が高かった。
悪くても１週間で５勝２敗、うまくいけばパーフェクトという週もあった。
座れたというのには横浜から座ったというのも含むが。
顔ぶれも少しは覚えて、大船で降りそうな人の前に立つこともできるようになった。
ところがである。
４月になって新入生、新入社員が増えて、また座れる確率が下がった。
これが淘汰されてくるのは、早くてゴールデンウィーク明け、遅ければ夏休み前までである。
そんなわけでまた疲れる通勤が続いている。

通勤電車の中では、寝る人、読書する人、新聞を読む人、勉強する人などさまざまであるが、最近はこれにモバイル人が加わった。
それもおもむろにノートパソコンを開く人、ＰＤＡなどを見ている人、そして携帯電話でメールを打つ人などさまざまだ。
携帯電話が普及し始めたころは、電車内での通話が問題になり、いろいろトラブルもあった。
しかし、最近の若者はほとんどメールだ。
まあ、電車内で電源を切ってないことに変わりはないが、ずいぶん静かになった。
ところが中には携帯メール覚えたてみたいな中年男性が、やり方を知らないのか、別に迷惑と思わないのか、平気で打鍵音を消さずに携帯を使っている。
話し声もうるさいが、あの電子音もかなり耳障りなものだ。
何が嬉しいのか、携帯を片手にしっかり握り締めているサラリーマンの姿は、ミニカーを握り締めて電車に乗っているちびっこと、何ら変わりがない。
それも音を出さずに使う分にはかまわないのだが。
ヤツデ

朝の電車の中では、たいがいの人は静かな方がいいと思っているだろう。
だからたまに友達と一緒に乗り込んできた女性とか、学生がそばに来ると悲劇だ。
とにかく大きな声でしゃべりっぱなしということになると、本を読もうにも集中できないし、眠りの妨げにもなる。
携帯の長電話よりよほどうるさい。
最近ではおしゃべりは女性とは限らず、若い男の子などもよくしゃべる。
そんな日は朝からストレスをためたまま出勤ということになるわけだ。

出勤時に新聞を読む人も多いが、慣れたサラリーマンなどはあの新聞をうまく折りたたみ、人の迷惑にならないように読む。
先日大船で座れなくて、横浜で京浜東北線に乗り換えた時、一人の恰幅の良いおじ様の前に立つ羽目になった。
その人は何と新聞をまったく折らないで見開きにしたまま読んでいた。
幸い、両隣の人はぐっすりおやすみ中で問題なかったが、前にいる私はたまったものではない。
新聞のページをめくるたびに私の胸辺りに新聞がバサバッとあたるのだ。
その日は電車が遅れ気味で混んでいたので、よけようがない。
その人はまったく私など無視して新聞を読み続けている。
心の中で、｢まったく、新聞はたたんで読んでよ！　それでなくても座席で場所を取ってるのに、人の空間まで占領しないでよ！　会社に行けばえらいかも知れないけれど、電車の中では平等だあ！！｣と毒づきながらイライラ。
ようやく最後まで新聞をめくって、眠りに入った時にはほっとした。
その頃にはもう私の降りる駅、疲れる朝だった。

通勤というのは朝だけではなく帰りだって同じだ。
ただ、私の場合はパート扱いで早めに帰るので、普通は座れるのだが、ちょうど学生の帰り時間になるので、けっこううるさいことが多い。
それにパートの女性の団体がいたりすると、これまた職場の愚痴などでうるさい。
なかなか心静かに電車通勤できないのが現状だ。

ヤエザクラ

最後にちょっと怖い話。
会社の帰りに友達のうちに寄ってご馳走になり、遅くなったことがあった。
東戸塚までは同僚と一緒だったが、そのあと一人になってドアの片側に立っていた。
電車は空いていたので座ろうと思えば座れたが、もし寝過ごして鎌倉を通り越すと戻る電車はない時間だったので、立っていたのである。
同じドアの反対側には男性が１人立っていたので、そちらには背を向けていた。
すると突然私の後頭を平手で掴むように触られた。
誰か知っている人でもいたのかと振り向くと、反対側に立っていた男が気弱そうに｢すみません｣と言うのだ。
電車が揺れてぶつかったという距離ではない。
一体、何のために？？？と言う気持ちだったが、わざとらしく避けて逆上されてもと思って、そのまま鎌倉まで立っていたが、不気味だった。
痴漢なら、そんな空いている電車でおばさんを狙わないだろうし、刃物でも持っていたら大変だし、気持ちの悪い時間だった。
かくして通勤も命がけ、仕事以上に疲れることになるわけだ。

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